EBS スナップショットの課金に要注意!【AWS 無料利用枠超過】

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はじめに

AWS 無料利用枠とは

AWS 無料利用枠は、AWS が提供するサービスの一部を無料で使用できる特典です。
初心者が AWS サービスを学んだり、プロトタイプ作成に非常に有用です。

無料利用枠には以下のようなカテゴリがあります。

  • 常に無料の利用枠
    • AWS が提供するいくつかのサービスは、一定の範囲内ならずっと無料で利用できます。
      例えば、DynamoDB では毎月 25 GB までのストレージが常に無料で利用可能です。
  • 12 か月間無料の利用枠
    • 新規 AWS アカウントを開設してから 12 か月間、AWS の主要サービスを無料で利用できます。
      例えば、EC2 や S3 など、様々なサービスがこの範疇に含まれます。
  • 試用期間の利用枠
    • 一部の AWS サービスは、新規にサービスを開始した日から一定期間無料で利用できます。

しかし、これらの無料利用枠は各サービスやリソースに制限があります。
もちろん、それらの制限範囲を超えると通常の料金が発生します。
そのため、無料利用枠を利用する際には、具体的な制限範囲の理解が重要です。

この記事では特に EBS スナップショットの 12 か月間無料の利用枠について詳細と注意点を解説します。

本記事の目的

本記事では、AWS の EBS スナップショットの無料利用枠超過に焦点を当てます。
※EBS: Elastic Block Store

具体的には以下のような内容を含みます。

  • EBS スナップショットの課金体系や計算例
  • EBS スナップショットの無料利用枠の範囲と注意点

以下のような方はぜひご一読ください。

  • AWS 初心者の方
  • 頻繁にスナップショット生成する方

EBS スナップショットの無料利用枠とアラートメール

AWS 無料利用枠の制限

AWS の無料利用枠には、使用できるサービスの種類やその範囲に制限があります。
例えば、以下のような制限があります。

  • EC2: 毎月 750 時間まで t2.micro インスタンスを無料で使用できます。
  • S3: 毎月 5 GB のストレージを無料で利用できます。

このように、各サービスごとに無料で利用できる範囲が設定されてます。
もちろん、それらの制限範囲を超えると通常の料金が発生します。
そのため、無料利用枠を活用する際は、各サービスの制限範囲の理解が必要です。

EBS スナップショットとは

EBS スナップショットとは、EBS ボリュームのバックアップを作成する機能です。
スナップショットは EBS ボリュームの特定の時点での状態を保存します。
これにより、データの損失や破損から EBS ボリュームを復旧できます。

スナップショットは S3 に保存されます。
そのストレージ使用量は保存されているデータの量によります。

EBS スナップショットの無料利用枠の制限

EBS スナップショットの無料利用枠については AWS 公式に記載があります。
現時点で、AWS が提供する無料利用枠では毎月 1 GB までが無料となっています。
それを超えた使用量については通常の料金が発生します。

無料利用枠
12 か月間無料
Amazon Elastic Block Storage
30 GB

汎用 (SSD) ストレージまたは磁気ストレージの任意の組み合わせ
安定性と耐久性を持ち低レイテンシーの、EC2 インスタンス用ブロックレベルストレージボリューム。

  • 30 GB の Amazon EBS: 汎用 (SSD) ストレージまたは磁気ストレージの任意の組み合わせ
  • 200 万 I/O (EBS Magnetic の場合)
  • 1 GB のスナップショットストレージ
https://aws.amazon.com/jp/free/?all-free-tier.sort-by=item.additionalFields.SortRank&all-free-tier.sort-order=asc&awsf.Free%20Tier%20Types=*all&awsf.Free%20Tier%20Categories=categories%23storage

以下の運用をする場合は、上記の制限を超える可能性があるので注意が必要です。

  • スナップショット / AMI を頻繁に取得する場合
    ※AMI: Amazon Machine Image
  • 大きなボリュームからスナップショットを取得する場合

EBS スナップショットの無料利用枠超過のアラートメール

ある特定の AWS サービスの使用量が、その月の無料利用枠制限の 85 % を超えた際、AWS からアラートメールが送信されます。

以下のような形式で届きます。

Title: AWS Free Tier limit alert

AWS Free Tier usage limit alerting via AWS Budgets
07/16/2023


Dear AWS Customer,

Your AWS account xxxxxxxxxxxx has exceeded 85% of the usage limit for one or more AWS Free Tier-eligible services for the month of July.

Product
AWS Free Tier Usage as of 07/16/2023
Usage Limit
AWS Free Tier Usage Limit
AmazonEC2
0.93062795 GB-mo
1 GB-mo
1.0 GB-mo for free for 12 months as part of AWS Free Usage Tier (Global-EBS:SnapshotUsage)

To learn more about your AWS Free Tier usage, please access the AWS Billing & Cost Management Dashboard. You can find more information on AWS Free Tier here.

This alert is provided by AWS Budgets. AWS automatically tracks your service usage and will alert you if you have reached 85% of the usage limit for one or more AWS Free Tier-eligible services. To unsubscribe from these alerts or to change the email address to which you would like your alerts to be sent, please visit the Cost Management Preferences.

AWS 無料利用枠超過の対策

AMI の更新頻度を見直す

AMI の頻繁な作成は、EBS スナップショットの使用量を増やします。
そのため、AMI の生成と使用について見直しを行うことが有効です。
たとえば、以下のような工夫を検討しましょう。

  • 必要以上に AMI を作成しない
  • 新しい AMI を作成する前に古いものを削除する

これにより、スナップショットの使用量を抑え、無料利用枠超過のリスクを減らせます。

EBS スナップショットのライフサイクルポリシーを利用する

AWS には、EBS スナップショットのライフサイクルを自動管理する機能があります。
このライフサイクルでは以下のような機能が提供されます。

  • 古いスナップショットを自動的に削除
  • 一定期間が経過したスナップショットを低コストのストレージクラスに移動

これにより、不要なスナップショットが蓄積されて使用量が増えるのを防ぎます。

EBS スナップショットの課金を覚悟する

予期しない無料利用枠の超過は危険です。
しかし、課金が発生する可能性があることを理解した上で予算計上することは重要です。
頻繁なバックアップは DR の観点からも非常に重要です。
そのため、課金を避けるためだけにバックアップ頻度を下げるのは推奨できません。

以上、システムの要件に沿って、必要な対策を取りましょう。

実際の料金計算例

ここでは、EBS スナップショット利用における実際の料金計算例を考えてみましょう。

現時点での EBS スナップショットのストレージ料金は以下の通りです。

Amazon EBS スナップショット

Amazon EBS スナップショットは、ブロックデータのポイントインタイムコピーです。スタンダードティアの EBS スナップショットは段階的に保存されます。つまり、変更されたブロックの保存に対してのみ請求が行われます。アーカイブティアの EBS スナップショットは、ブロックデータを完全にコピーしたものです。つまり、変更されたブロックだけでなく、保存されているすべてのブロックに対して請求が行われます。アーカイブ階層のスナップショットの最小保存期間は 90 日です。90 日以前に削除されるか、スタンダードティアに永久的に復元されたアーカイブスナップショットには、残り日数のストレージ料金に等しい料金を比例配分して請求いたします。アーカイブティアから取得した結果に対して追加料金が適用されます。

EBS スナップショットのストレージ料金
スタンダード0.05USD/1 か月あたりの GB
アーカイブ0.0125USD/1 か月あたりの GB
EBS スナップショットの復元料金
スタンダード無料
アーカイブ取得したデータ 1 GB あたり 0.03USD
EBS スナップショット料金表
https://aws.amazon.com/jp/ebs/pricing/

では、8 GiB の EBS スナップショットを作成する際の計算方法を確認しましょう。

無料利用期間中

AWS 無料利用枠の EBS スナップショットの制限は 1 GB / 月 です。
ですので、8 GiB のスナップショットを作成した場合、課金対象となるのは 7 GiB (8 GiB – 1 GiB) となります。
スタンダードのEBSスナップショット料金が 1 GB あたり $0.05 / 月 であるとすると、1ヶ月の料金は$0.35 (7 GiB x $0.05) になります。

無料利用期間後

無料利用期間が終了した後は、全てのスナップショット使用量が課金対象となります。
したがって、8 GiB のスナップショットを作成した場合、1 ヶ月の料金は $0.4 (8GiB x $0.05) になります。

このように、無料利用期間が終了すると、課金対象の使用量が増えます。
ほぼ誤差の額ですが

さいごに

AWS 無料利用枠は、AWS の各種サービスを試すための非常に便利な仕組みです。
しかし、各サービスには利用枠が定められており、限度を超えると料金が発生します。
特に、EBS スナップショットは、その使用量が容易に増えるため、注意が必要です。

本記事では、EBS スナップショットにおける無料利用枠の超過原因と、それに対する対策について解説しました。

正直、無料利用枠自体の金額は誤差レベルであり、そのためだけにシステム構成を変更することは逆に修正コストがかかり、本末転倒だと思います。
しかし、課金体系を正しく理解するのに、無料利用枠は良い導入になります。
無料利用枠の制限を理解し、適切なリソース管理と料金の見積もりを行うことで、AWS をより効率的に、そして安全に利用することができます。

最後に、AWS は拡張性が高く、簡単にリソースを強化できます。
しかし、場合によっては大きな課金が発生するリスクがあります。
その上で、適切な設計を行い、コストを抑えつつ運用していきましょう。

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